エドウィンはゼロの方に再び向き直って言った。
「ゼロ様。もしや、都市へご帰還されるおつもりなのですか?」
あぁ、とゼロは答える。
エドウィンはそれを聞いて、再びほろりと涙をこぼすと
それを急いで拭い、ドラゴン達に魔力をかけ始めた。
「それならば、私がこのソリで都市までお送りいたしましょう。
ささ、乗ってください?」
わ…!乗せてくれるんだ!
ここからはまだ歩くには距離があるから
都市に着くのは昼過ぎになると思っていたのだが
ソリで空を飛んで行けるのなら、多分十分もすれば到着出来る。
「ありがとう、エド。乗るのは子どもの時以来だな。」
ゼロは、そう言って、緑色のソリに乗り込んだ。
私も、後に続いて乗り込む。
わぁ……。
なんだか、本当にサンタさんになった気分だ。
「それじゃあ、出発いたしますぞ!」
エドウィンの掛け声とともに
ふわり、とソリが宙に浮いた。
小さなドラゴンたちは、三人を乗せたソリを、力一杯引き始めた。