「ゼロ!城が見えるよ!!」
次の日、森を出て歩いていると
遠くに大きな町があり、町の中心部は高い丘になっていて、その上には大きな白い城が建っている。
私の言葉に、遠くに視線を向けたゼロが
少し微笑んで私に言った。
「見えたな。あれが“都市”だよ。」
もう、ずっと見てなかったな…。
と、ゼロは遠い目で都市を見つめる。
町の周りには高い壁があり、大きな門が口を開けている。
私は無意識のうちに速歩きになっていたらしい。
ゼロが私の手を引く。
「都市は逃げないから大丈夫だって。」
走り出しそうな勢いだな、とゼロは笑う。
空は雲一つない青空が広がっている。
生まれて初めての都市を堪能するには最高の日だ。
上空を見上げていると、都市の周りを何かが飛んでいるように見えた。