「ゼロのこと…きっと心配してるよ。」
私はゼロの方を見て言う。
ゼロは行方をくらまして旅に出た
と、ジンが言っていた。
親なら、心配するのは当然だ。
ジェノバなんて、私が町から帰ってくるのが少し遅くなったぐらいで、とても怒っていた。
そうかな…、と、ゼロは夜空を見上げる。
上空には、満月が静かに輝いている。
「都市には結構知り合いがいるけど…
こんな姿になってからは会ってないな…。」
ゼロが少し寂しそうに呟いた。
私がゼロの雰囲気が変わったのを感じて
彼を見ていると、
ゼロは、ぱっ、と私の方を向いた。
「…ま、グランに追い返されても、俺にはフィオネがいるもんな。
泊めてくれなかったら、宿屋に行こう。」
ゼロはそう言って、笑ったので
私もつられて微笑んだ。
その時、いつものゼロに戻ったのを見て、少し安心したのか
私のお腹が、ぐぅーと鳴った。
顔が赤くなるのがわかる。
「飯にするか、フィオネ。」
そんな私を見て、ゼロがふっ、と笑って言った。



