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次の日。
私が目を覚ますと、ゼロはすでに起きていた。
「おはよう、フィオネ。
ここから都市までの最短ルートが分かったぞ!今日はそっちから行こう。」
最短ルートを使えば後二日ぐらいで着けるはず。と、ゼロは言った。
ゼロは早く都市に行きたがってるように思える。
いや、最果ての丘に早く行きたいんだろうか。
結局、ゼロの旅の目的はわからずじまいだ。
でも、私はその先を知るのが少し怖い気がした。
そもそも、私が思っているこの旅の目的は
“相棒と共に最果ての丘に行くこと”だ。
そこに着いてしまったら。
私はその後どうすればいいのだろうか。
そのままゼロと旅を続けて行けるのだろうか?
それとも……
別の何かが待っているのだろうか?
私が無言で考えていると、テントをしまったゼロがこっちをくる、と向いた。
「どうした?フィオネ。行くぞ。」
「あ、うん…。」
……その時になればわかるわ…。
私はふぅ、と息を吐いて
ゼロの隣に並んで歩き出した。



