「蓮先生なんか知らない…」
プイッと顔を背けた
「…美里ちゃん、怒らないで
今日は検査のこともう考えないようにしよう
病室に行くから俺の背中に乗って」
背中に乗るなんて恥ずかしい
それに歩けるし…
「…やだ」
「どうして?」
さっき変なこと言ってきたから、少しからかおう(笑)
「蓮先生のことなんか大っ嫌いだから」
「そんなこと言われると先生悲しいな…」
本当に悲しそうな顔をする蓮先生……
私に嫌いなんて言われたくらいでそんな顔しないでよ……と思いつつも罪悪感を感じて
「……嘘だよ
でも、歩けるから大丈夫」


