斯くして。
初のヘルプ1日目は、無難に終えることが出来た。
きっとこんな感じでほんわかした雰囲気のまま、最終日の29日まで過ごすんだろうなぁ。
ヒマってわけでもなく、すごく忙しいわけでもなく。
年末プラス月末で、やることもそれなりにあるけれど。
でも事務課の3人である程度きっちり分担して仕事に取り組んでいる分、苦労せずに終われそうな予感がしていた。
仕事から帰ってアパートに着き、ホッとひと息ついた時に奈々から電話が来た。
彼女は岩沼支店での私を心配してくれていたらしく、
『どうだった?初めてのヘルプは』
と聞いてくれた。
「それがさぁ、案外楽しいの。みんないい人だし、アットホームだし。異動したいくらい」
率直な感想を述べると、奈々は電話の向こうで驚いていた。
『そんなに?よっぽどコズに合う空気なんだねぇ〜』
「思い切って異動願い出してみようかな」
『え、嘘でしょ?』
「う〜ん、本気だったりして」
まさか私の口からそんなことを聞かされるとは思っていなかったんだろう。
奈々は「どうしちゃったの?何があったの?」ってかなり心配していた。
いや、実際は異動願いなんて出す気は無いんだけどさ。
でも半分本気で、半分冗談という感じかな。
カメ男と顔を合わせないためには、異動するしかない。
それならこれを機に岩沼支店でもいいな、なーんて。
休職中の妊婦さんが戻ってこれなくなると困ると思うから、そんなことはしないつもりだけど。



