この間、洗濯でブラのワイヤーが飛び出したりしたなぁ、と呑気に思い出した。
その飛び出したワイヤーを無理くり元の位置に押し込んで、いまだに普通に着用している私。
いくらなんでも女子力が低すぎる。
安いのでいいから、ブラとショーツのセットをいくつか買っておくか。
必然的にAの65を手に取る。
生まれてこのかたAカップ以外のブラをつけたこともない、正真正銘の貧乳。
そもそもどんなに食べても全然太れないこの痩せ気味の体が、自分の1番嫌いな部分でもある。
奈々は細身のくせに意外と隠れ巨乳なんだよなぁ。
社員旅行で毎年温泉に入るたびに、奈々の綺麗な形の胸を見て自分と比べちゃって。
そして凹む、ということの繰り返し。
その証拠に彼女はCカップのブラを真剣に眺めている。
こういうところで女の格差って生まれるような気がするのは私だけだろうか。
遠い目になりながら、無難なデザインの水色の下着をさっさと購入した。
「コズ!なに自分だけ先に勝負下着買ってんのよ!」
と店内に響き渡るような声で奈々が私に文句を言ってきたので、慌てて彼女の口をふさぐ。
まだモゴモゴ言っている奈々を鬼のように睨んで一蹴した。
「あんたと違って私は通常用!勝負用じゃないっつーの!」
「……あ、そう」
むくれる奈々の口からようやく手を離した私は、お店で一番人気だというマネキンが着ている下着を指差して
「こういうのでいいんじゃない?田嶋ならなんでも喜ぶって、きっと」
と少々投げやりに言ってやった。
「えぇ~、そうかなぁ。もうちょっと色っぽいのが良くない?」
「どうせ男は下着なんて見てないって」
「分かんないじゃん、そんなの!」
だってどうせ全部脱がされるんだから下着なんて男からしたら邪魔なだけなのでは。
2年も恋してないからそういうのすらも忘れてしまった。
「でも、もう告白する決意は固まったってことね」
私が微笑んでそう言うと、奈々はちょっと間を置いて小さくうなずいた。



