「澪はミルクティーでいいんだよね?」


「う、うん……」


自動販売機からガコンッと缶ジュースが落ちる音がする。


家に帰る途中にある自動販売機を見つけると「何か奢るよ!」と駆け寄り私のお気に入りの飲み物のボタンを沙耶が勝手に押していた。



「昨日心配かけちゃったお詫び」


そんなの、別にいいのに。

結局私は沙耶を迎えには行かなかった。


それが何を意味しているのか沙耶なら気づいているはず。


行けなかったんじゃなくて、行かなかった。

理由を聞かない沙耶も何か考えがあるのかな。