「失礼しましたー………」


パタンと職員室の扉を閉じてから、その場で溜まっていた息を吐いた。


職員室って何度来ても緊張感する。

先生たちが放つ異様なピリッとした空気はちょっと苦手。



「…………早くしないと」


こんなとこで脱力感に浸っている場合じゃない。

沙耶のとこに行かないと。


すぐに廊下をパタパタと走り、リズム良く階段を下りて行く。


急いでいる時って目的地が遠く感じる。

数秒が数分に、数分が数時間に。


そんな感覚だ。