僕等はまだ恋を知らない



「そういえば、澪はなんでそんなにボロボロになってるの?」



沙耶の言葉にビクンと体が反応した。




草も木も生えまくった茂みを通って来たんだもの、今の私の状態はかなり酷い。



ブレザーやスカートには薄く土が付き、髪の毛はバサバサ。



「寝坊して急いで準備した」なんて言い訳は通用しないくらい。





「頭に葉っぱも付いてるよ?」



ふわりと沙耶の優しい手が髪の毛に触れた。



「ありがとう……」




優しい沙耶の笑顔が目に映り、私の疲れを癒してくれる。



沙耶の背中に羽が見えてくるよ………。



そんな癒しもつかの間、すぐに悪魔のような一声が飛んできた。