「はぁ〜〜〜……………」



机に突っ伏しながら、近くに居た沙耶に聞こえるような大きなため息を吐いた。



「ため息吐くと幸せが逃げちゃうよー?」


「幸せじゃないからため息が出るんだよ…………」





ついに高校3年生へと進級し、数週間が経過した。


見上げながら歩いていた桜並木にも、慣れてきた頃。



「澪ったら結構贅沢な悩みだよ、それ」


「うぅん……まぁ、そうなんだけどさ………」