休憩をとり、オレは事務室へと入った。
狭い部屋の机の上にチャーハンの皿を置く。


フ―……。


椅子に座り、足を伸ばしたとたん、タメ息が漏れた。


ったく、あんなやつ、初めてや…。


できないやつなら、どこにでもいる。
一緒に働いていて『お前やる気あんのか』と言いたくなることなんて、しょっちゅうだし。


けど、何あれ?
あんなにやる気満々で、あんなにできへんやつ初めてや。


あかん。


ブンブンと首を横に振る。
休憩時間にまで、あいつのことを考えるのはよそう。


「食お」


気を取り直して、チャーハンをほおばった。

スプーンでトッピングの玉子を崩しながら、食べ進めていくと、ガチャリとドアが開いた。


あ。




「お疲れさまでーす」


弾むような足取りで入ってきたのは、アズって子。

名札の名前しか知らない、本社の社員さん。