ずっと、君に恋していいですか?

あれから志信にハッキリした答えも出せず、それさえも考えられないほど仕事に明け暮れていた。

(バカだ…私…!!)

薫はなんとか平静を装って客に伝票を渡し、料金を受け取って、帰りの誘導をした。

そして誰もいない2階のオフィスに駆け上がり、ポケットからスマホを取り出して志信に電話を掛けた。

呼び出し音が5回目で途切れ、ざわざわとした喧騒が薫の耳に流れ込んだ。

「もしもし…。」

喧騒の中、志信の低い声がした。

「志信!ごめん、私…。」

「もういいよ。」

志信が冷たい声で薫の言葉を遮った。

「マンションも引き払ったし…もうすぐ新幹線に乗る。」

「えっ…。」

「仕事、忙しかったんだろ?昨日までオレもSS部にいたから、知ってる。」

「うん…。」

「ひとつ聞くけど…薫さ、今日がなんの日か、覚えてる?」

「えっ…今日…?」

志信が福岡に行く以外で何があっただろうと考えても、薫には何も思い当たらなかった。

「ごめん、わからない…。」

薫が答えると、志信はため息をついた。

「そっか…。ならいいや。薫…。」

「…何?」

「もう、終わりにしよう。」

志信の言葉に、薫は言葉を失った。