家に帰り、道場に通いたいと母に伝えた。


意外とすぐに母はオッケーを出してくれた。



家賃も物価も安い田舎。



前よりも母は明るくなった。



新しい仕事が順調で、マンションを貸した収入もあり、お金がたまってきたし、


ついでに男ともうまくいっているとのこと。



『本当はあの人と一緒に暮らしたいんだけどねー。でも一吾は嫌なんでしょ?』


と言って母は笑っていた。



母は珍しく昼の仕事をしていた。



時々夜ご飯を一緒に食べることもあった。

メニューはスーパーの惣菜かファミレスばっかりだったけど。



もちろんしょっちゅう夜に僕を置いて出かけて、朝に帰ってきた。