入学式の帰り、再びA組をのぞいてみた。


一吾くん……やっぱりいないか。


と思っていると。


「のばらちゃん、A組に知り合いでもいるのー? もしかしてカレシ?」


ふわっと揺れる内巻きボブの髪の毛に、視界をさえぎられた。


うわ、ナズちゃんだ。目ざといなぁ……。



「違うって! 同中の人いるかな~って見てみただけだから」


「ふーん? あ、イケメン系だったらナズにも紹介して~」


「いやいや、そういう知り合いとかいないし!」



「うっそー。のばらちゃん可愛いし絶対モテるでしょ? 

ぶっちゃけうちのクラス微妙な女子しかいないじゃん。のばらちゃんがいて良かったよ!」



「え、や、あはは~」



ナズちゃんの発言に言葉を濁していると、

A組の男子がチラチラと私たちを見ていることに気がついた。


確かにナズちゃんは、可愛いしクラスでもかなり目立つ。ちょっとメイク濃いけど。

もう各組の男子に目をつけられているのかもしれない。


性格はちょっととんがってるようですが……。