仕方がないので布団を敷いてあげると、
彼は目をこすりながらよろりと向かってきた。
「はい、布団に寝ましょ」
「んー」
「わっ」
彼が横になると同時に、急にスウェットの裾を引っ張られ、
私も一緒に布団の上に転がってしまう。
「ちょ……一吾くん……?」
完全に添い寝状態。
バクバクと鼓動が早くなる。
私のスウェットを握っている細い指をはがし、そこから脱出しようとすると。
重たそうなまぶたが開かれ、ぎゅっと手を握られた。
「…………」
お風呂に入ったばかりなのに、すでに彼の手は冷たかった。
まだ体がほてっていた私は、その冷たさに気持ちよさを感じた。
さっきは、『おれがあっためてあげよっか?』なんてことを言っていたくせに。
私と会わない間、いや、私の知らないところで、彼はちゃんと温もりを与えられていたのだろうか。
今、さらりとした金髪からのぞかせているのは、ただ開けられただけの目。
雨の中、男の子たちとケンカしてた時とは違う。
どんな感情を宿しているかわからない、その瞳に捕えられ体が動かなかった。
――ってオイ。ちょっと待て。
やばくない? この状況!!
私がはっと我に返ると、目の前の彼はいたずらそうに笑った。
「何? おれに手出されると思ったの?」
「ち、違うから!」
「へー。ちょっとは期待してたくせに」
「してないし!」
……そっちだって1人じゃ寂しいくせに。

