どっかでサボってそのまま戻ってこないのだと思い、中庭や空き教室を探したけど彼の姿はなかった。
A組に戻る途中、尚紀くんが友達らしい派手な男子に呼び止められた。
彼らの目線は鋭いものになっていた。
「のばらちゃんは先帰ってて」
「え、どういうこと?」
「また連絡するわ」
そう言って尚紀くんはどっかに行ってしまったため、
私はとりあえず一吾くんの家のあたりを探すことにした。
帰りのバスから降りると、ぽつり、ぽつりと水滴が頬をかすめた。
うわー降ってきちゃったか。
いったん家に傘を取りに行こうと、小走りで進むと、
きゃぴきゃぴとはしゃぐ近所の小学生たちが目に入った。
じゃんけんで負けたのか、1人の男の子が全員分のランドセルを肩、首、両脇にかけている。
急に昔の記憶がフラッシュバックした。
始めはからかわれていただけ。
次第に小突かれ、笑われ、殴られ、いじめられる、
幼い彼の姿。
『もう色々な人に目つけられてるらしーよ』
もしかして、もしかするかも……。
嫌な予感がして、そのまま近所の公園へと向かった。
雨はどんどん強くなっていった。

