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一吾くんと尚紀くんがバイトのため、あの後すぐ解散になった。
私、今日シフト休みで良かった……。
バイトを終えた一吾くんは帰ってくるなり、
「のばら格闘技の才能あるんじゃない?」と言って笑い出した。
「うるさいなー。てか、バイト代賭けるとかやめてよ!」
「だってのばらが負けるわけないじゃん」
結局、私が勝ったため賭けはチャラになった。
そもそも全員が私を選んだため、賭け自体が成立していなかったけど。
「あー明日から大丈夫かなー。お前の席ねぇから!! 状態になってないかなぁ……」
とつぶやき、布団の準備をすると、
「大丈夫でしょ。あの女がよっぽどのバカじゃない限り」
と言って、一吾くんも隣で布団をしき始めた。
「まあ。そうだけど」
「いざとなればまた何とかするよ」
そう言いながら、一吾くんは私の隣に座った。
いつの間にか、優しい目で私のことを見つめていた。
「あの、いろいろとありがとう」
「別に。おれらは楽しませてもらっただけだし」
「でも心強かったよ」
私が微笑むと、頬に貼った絆創膏が優しくなぞられた。
つんとした痛みと、触れられた喜びが体をめぐった。
「ここ、大丈夫?」
それは、ナズちゃんに爪でひっかかれた傷だった。
「うん、ただのかすり傷だし。でも、ちょっと怖かった」
「そう? あの女弱かったじゃん」
「んー、そうじゃなくて。あの時……ナズちゃんを倒しちゃった時。私、自分を抑えられなくなって……あんなの初めてで」
「別に。ケンカの時は普通そーなるし。慣れれば大丈夫」
「ちょ、私ケンカとかする人じゃないから!」
「してたじゃん。センスあるよ」
「う~~~~~」
言葉に詰まった私は、一吾くんをにらみつけることしかできなかった。
そんな私に構わず、
彼は「お疲れさま」と言って頭を撫でてくれた。

