「きゃっ!」
体育館裏の倉庫前に到着したとたん、私は中に突き飛ばされた。
コンクリートの床に勢いよく倒れこむ。
倉庫内には体育祭や授業で使う道具が立てかけられ、
側面の棚にはカゴに入ったボールやメガホンなどが詰め込まれていた。
奥に小窓があるが、すりガラスの奥は森になっていて室内は薄暗い。
「あははは! ナズが謝るわけないじゃん。全部のばらちゃんが悪いんだから~」
内巻きボブをふわりと揺らし、ナズちゃんは汚い笑い声を発した。
もうこの手には乗らないし、負けない。
全部私が悪いと錯覚させるようなナズちゃんの言葉に。
「確かに……私、ナズちゃんが一吾くんファンなの知ってたけど……」
ぐっと拳を強く握りしめる。
「だからって友達も巻き込んで私をいじめるのはおかしいよ! 文句があるなら直接言って!」
初めてナズちゃんに正面から文句を言えた。
しかし、彼女の表情は全く崩れない。
「えーと。ナズおかしいことしてるー? じゃあ嫌いな人にムカついた時はどうしたらいいの? 腹立ってもじっとしてなきゃいけないの?」
それから、あんなブス2人なんか友達じゃねーし。大人しくナズの言うこと聞いてればいいのに、と続けた。
私はナズちゃんの言葉に引いた。
理解ができなかった。

