「うわーナズちゃんのこと裏切ったくせにありえねぇー」
「うちの彼氏のことも悪く言ったんでしょ? ホントムカつく」
「それは……! ねえ、お願い、私の話も聞いて!」
私は友達の1人の肩に手を伸ばした。
しかし、ぱっと手を払われ肩を押された。
「……つっ!」
その勢いで私は足を滑らせ床にしりもちをついた。
「許してもらいたければ土下座すれば?」
ナズちゃんの冷たい声が降ってきた。
友達2人も「いいね、それ!」と声を出す。
どーげーざ、どーげーざ、とコールが始まる。
私は表情をゆがめ歯を食いしばった。
その時。
突然、1人の女子が更衣室に戻ってきた。
「あの……先生が早めに集まれって。あっ、ごめんなさいっ!」
私たちの様子に驚いたのか、必死になって謝っている。
「てめぇ、今見たの誰かにチクったらクラスにいれなくなるようにすっから」
ナズちゃんがその女子にすごむ。
あ……この子、前にナズちゃんにぶつかって嫌味を言われた子だ。
「ごめんなさい! ごめんなさい!」
その女子は何度も謝り、逃げるように更衣室を去った。
私はしりもちをついたまま。
授業開始のチャイムが鳴る。
「……痛っ!」
ナズちゃんたちは順番に私に蹴りを入れてから体育館に向かった。
パンっとお尻についたホコリを払う。
開けっ放しにしておいたロッカーを閉め私もその後ろに続いた。

