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次の日、悔しいけど学校を休むことにした。
バイトと勉強で疲れたから、ということにしておいた。
一吾くんは、先生にちゃんと連絡しときなよ、と言って学校へ向かった。
ちなみに別々に寝よう宣言をされてから、私は軽めの布団を家から持ってきていた。
ほこりっぽかったので干そうかなと思ったけど、体が重くてそのまま寝ることにした。
震えるスマホは全部無視した。
1人で気持ちの整理がしたかった。
中学の頃も悪口や嫌味を言われたことはあった。
でも、こんなにも明らかないじめに合うのは初めてだった。
『実は~もともとウザいって思ってたんだよね~』
『中学の時からすげー男好きでハブられてたらしいよー』
ナズちゃんたちのわざとらしい声が頭の中をさまよっている。
ぎゅっと下唇をかんで涙をこらえた。
泣いて目が腫れないよう、目をつぶって二度寝をすることに集中した。
――ピンポーン。
インターホンの音で目が覚めた。
もしかして、ナズちゃんたちが嫌がらせをしにここまで!?
びくっと体が震える。
いやいやまさか。ここ一吾くんの家だし!
恐る恐るモニターを見ると、同世代くらいの男の子の姿があった。
誰だろう。
「……はい」
「あれ? ここ一吾の家っすよね?」
「そうですけど。今、一吾くん学校行ってますよ」
「うっそぉ、マジ? あいつ学校とかちゃんと行ってんの? って、おっ一吾じゃーん。何だよ急に呼び出してー」
ちょうど一吾くんが帰ってきたようで、ぷつりとモニターの画面が切れた。
えええ! 急に来客っすか?
うわ。私Tシャツにスウェットじゃん! 超部屋着なんすけど!
しかももう夕方だし! 寝すぎたー!
慌ててパーカーを羽織ると同時に、ガチャ、と部屋の扉が開いた。