「何?」



一吾くんはシャーペンを机に置いた。



彼がいなくなった前の日みたいに、またぎゅっと抱きしめてもらいたい。


もっと触れたいし、求められたい。



私はもう一度、肩をくっつけてみた。



触れた部分から全身へ緊張が広がっていく。



しかし、気がつくと一吾くんの表情は鋭いものになっていた。



「……タバコ吸ってくる」


「あ、うん……」



こんなにドキドキしているのは、私だけなのだろうか。



寝る準備をして、布団をしく。



「あ……」



そうだ。


一吾くんは私に手を出さないと、私の父に約束している。



触れたいとか、求められたいとか。


完全に自分のワガママだ。



何してるんだろう。私は……。