「ここ、大丈夫?」
その絆創膏に触れる。
視界がゆがみ、いろいろ混ざった感情が爆発しそうになる。
「ただのかすり傷じゃん」
「……でもっ、うっ、ひっく」
「泣きすぎ」
「だって、助けてって言ったの私だけど……。一吾くん死んじゃうかと思って!」
「死なないよ。さすがにヤバそうなヤツだったらのばら連れて逃げてたけど」
ちゃんと息をして、会話をしてくれて、そばにいてくれる。
いつもと同じことなのに、安心で胸がいっぱいになった。
窓からカーテン越しに朝日が差し込んでくる。
散歩中らしき犬の鳴き声や、新聞配達中らしき原付のエンジン音が微かに聞こえた。
私は彼のパーカーの肩のあたりを握りしめていた。
「良かった……良かった……っ」
「何が?」
「一吾くんが無事で良かった……っく。うっ」
思いを吐き出すと、涙が次々と頬を伝った。
「…………」
ひっく、ひっく、と私の嗚咽が部屋に響いている。
いっそこのまま抱きついてしまいたかった。
しかし――
「……何? どういうこと?」
彼は機嫌が悪いときと同じ声で、そう言い捨てた。
「え……?」
一吾くんは急に私の腕をつかむ。
パーカーを握っていた私の手をゆっくり剥がした。
ずきんと胸が痛む。

