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お父さんが帰ってくるまで、一吾くんは家にいてくれることになった。
さっきまで犯人がいた居間では落ち着かなかったので、私の部屋に案内する。
「散らかりすぎ」
「っ、しょーがないじゃん」
「タバコ吸ってい……」「だめ!」
「……ちっ」
一吾くんは不満げな顔になり、ベッドを背にして床に座った。
私もその隣に腰を下ろす。
彼がいなくなったのは1週間だけだけど。
2人で時間を過ごすことが、とても久しぶりなことのように思えた。
「……あのさ、急にいなくなって。どこいってたの?」
「んー? 実家」
「何で連絡くれなかったの?」
「スマホの充電器忘れてて」
「いつ帰ってきたの?」
「さっき」
「何で家の前にいたの?」
「ちょうどコンビニでライン気づいたからすぐ向かった」
「う~~~~~!」
いつも通り、淡々と答える一吾くんに心がさらに乱される。
そんな私にあきれたのか、彼は自分のポケットをごそごそしだした。
「タバコ、ベランダなら吸っていい……」
「近所の人に見つかるからもっとダメ!」
「はぁー。ひと仕事した後なのに」
ため息を吐いた彼の横顔を見ると、頬に貼った絆創膏が目に入った。
その瞬間、さっきの映像が頭の中によみがえった。
2人のけたたましい足音、光を反射したサバイバルナイフ、うつろな犯人の目、
そして、床に落ちた彼の真っ赤な血――

