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次の日は土曜日だった。
一吾くんは今日、バイトは遅番とのこと。
「のばらー」
「ん……?」
ぼんやりとカーテンの隙間の光を感じていると、一吾くんに呼ばれた。
すでに彼は起きていて、私が布団を占領している状態だった。
「起きて」
「えー今日休みじゃん。もうちょっと」
「出かける」
「そう? いってらっしゃい」
「準備して。迎え来るし」
――はい?
彼は本当にいつも言葉が足りない。
ちゃんと主語とか目的語とかをしゃべってほしい。
そう思いながら顔を洗って、軽くメイクすると、彼はいつもの黒パーカーやスウェットじゃなくて、普通の服に着替えていた。
Tシャツにグレーのカーディガン、腰で履いた細身の黒ズボン。
まともな私服を見たのは初めてかも。
意外と普通じゃん。むしろシンプルさがよく似合っている。

