彼の腕が私の体に絡まり、密着した部分から温もりが伝わってくる。
今更だけど、よく考えたら一吾くんは男の子だ。
こんな無防備な姿で一緒に寝ている私は、少し身の危険を感じた。
「だ、だめだよ」
「ちょっとだけ」
抵抗しようとしたけど、かすれた彼の声によって体が動かなくなる。
どき、どき、どき。
でも、前に眠ったまま抱き着かれた時とは違う。
彼の心臓の音も感じた。
言葉にはしてくれないけど、
今、一吾くんは私を必要としているのかもしれない。
一吾くんはいつも私に温もりを与えてくれる。
私よりも複雑な事情をきっと色々抱えているくせに。
私は、首筋に巻かれた彼の細い手をぎゅっとにぎった。
「教えてよ。何で一吾くんだけここ来たのか」
「んー」
「私だって知りたいよ」
「でも、のばらには関係ないから」
「……そっか。そうだよね」
つんと目の奥が痛んだ。
所詮、私は他人で、
一吾くんの世界とは関係ないところにいることを叩きつけられた。
こんなにも一緒にいるのに心が寂しくてぎゅっと縮んだ。
無言になった私からゆっくり腕をほどき、一吾くんは私に布団をかぶせなおした。
それから髪の毛を優しく撫でてから、逆向きに寝狩りを打つ。
「…………」
しばらくするとすーすー、といつもの静かな寝息が聞こえてきた。
胸の鼓動がもとに戻るとともに、私は気が付いた。
お母さんのことを伝えてから、少し、一吾くんの様子がおかしい。

