ぼくらのストロベリーフィールズ




聞くと、子どもがたくさんで、お金がかかる尚紀くんの家庭。



中学の頃までは、お父さんだけが働いていて、性格が厳しいお母さんが家事をしていた。



その中で、貧乏さや親への反抗心からか尚紀くんはグレてしまったらしい。


弟たちも学校で問題を起こすことが増えていき、家の中はぐちゃぐちゃだった。



でもある時、悪いことをして親が学校に呼び出された後。


お母さんが、『色々と余裕がなくてごめんなさい』と泣きながら謝ったことをきっかけに変わったらしい。



尚紀くんがちゃんと学校に行き始めたとともに、お母さんも仕事を始めた。



高校入ったら自分もアルバイトをして、お母さんと交代で弟たちの面倒も見ていく決心をしたという。



おかげで、去年よりは余裕が出てきたのだと。


お金の面でも気持ちの面でも。




「ま、今でも生活はぎりぎりだけどね。でもスーパーの特売とか狙うの楽しいよ」



「そうなんだ……」



「だから一吾と気が合う、ていうか気になるのかなー。あいつもたぶん家の事情いろいろありそうだし」



そんな話をしながら、街灯がまばらな夜道を尚紀くんと進む。


一吾くんと歩く時よりも、並ぶ影の長さには差があった。