二人で帰る事に、慣れてしまったのか……。



「……本気だったら、もっと優しくしてくれるもん……怖い態度、取らないはずだよ……」




一人の帰り道はこんなにも寂しかったっけ?



「……ずっと、優しかったか……本当は……」





その時、背後にいた男達が動いた。


ーーガツン‼


「……!?ぎゃ!?」



後頭部を何かで殴られ、あたしはそのまま前に倒れこんだ。


数人の足音が聞こえてきて、自分の周りを取り囲まれる。




薄れゆく意識の中、あたしは「海藤さん……捕まえました」そう会話する声が聞こえたような気がした……。