「麻衣!!!!」
店の扉が勢いよく開き、響に移した視線は怒鳴り声に引寄せられ、皆そちらに意識を持っていかれた。
少しだけ肩で息をして、明らかに顔は興奮した様に目が鋭く……一気に私との距離を詰める。
その迫力に気圧され、思わず腰を上げた私の肩を掴んだ。
「てめえ!何考えてやがる!!」
鬼の形相って正にこの事だと思う。
頭と変わらないぐらい興奮してるよ、って。
無視されるより怒鳴られて、ちょっとだけ嬉しい気持ちがあったなんて、死んでもいってやんない。
「祐也には分かんないでしょ!!」
怒鳴られて、怒鳴り返すなんてちっとも可愛くない。
だけどきっとこれが一番“私らしい”姿なんだって。
声を張り上げながらも感じた。

