目を開く事が出来ず、沈黙が私達を包む。
何秒だろうか。
少しの間を置いた後。
「……そんな事か?」
聞こえてきたのは、意外なものだった。
慶太郎の声に、下を向いたままではあるけど思わず瞳を見開く。
「当たり前なんじゃねえの?家族だろ」
聞き間違えなんじゃないだろうかと思ってしまう。
だって私が何をされてきたか慶太郎も知っている筈で。
弾かれた様に慶太郎を見ると、何て事ないという顔で私を見ていた。
「俺も嫌いじゃないよ。家族の皆。会いたくはないけどね」
「雄大は血は繋がってないんだよ?!」
「でも小さな頃から、同じ時間を過ごして来てるだろ」
違和感なく話す姿に、頭が混乱する。

