青空の下月夜に舞う 4



「……、」



言おう、と。
覚悟はしたけど。


口が動かない……

まだそんな事されてないって分かってる。


雄大を庇いたくて言葉が出ない訳でもない。


“私が雄大と居ないと裸女が……”


考えただけでもゾッとする。



「麻衣ちゃん?」


慶太郎は優しく私を呼ぶ。


「うん、あの、ね……」

「うん」


急かしては来ない。

私が話すのを待ってくれているんだ。


その優しささえ苦しくなりそうで、一度息をゆっくりと吐いた。




「怖がんなくていい。一緒に居てやるから」



私の腕に添えられていた、慶太郎の温かい手が、優しく上下に動き、私の動揺を抑えようとしてくれて。


まるで呪文のように、言葉が胸に染みる。

うんうん、と私も首を小さく2回振った。