「違うよ。祐也を私がどう庇うの」
「麻衣ちゃんが帰らなきゃ祐也殺すぞ、とか?」
「私が祐也を好きだと雄大が思ってたらそうするかもしれないけど……」
「じゃあ原嶋気付いてないんだ?」
「……」
「はははっ。かまかけたのに。引っ掛からないんだね」
会話の流れでボロを出さない様にするのは、雄大で慣れている。
そんな子供を引っ掻ける尋問には乗らないよ。
笑みを浮かべる慶太郎を見ながら、もう止まっていた涙がたまった目尻を押さえる。
離れていた時間が嘘みたいな雰囲気に安心する。
一ヶ月半は、短いようで長く感じた。
「……で?どうなの。もう何があっても驚かないから」
そう口にした慶太郎に、また心臓がキュッと苦しくなった。

