青空の下月夜に舞う 4

家族に対してコンプレックスがあったから、慶太郎の言葉が響いたのかもしれない。


きっと響や祐也に同じ事を言われても、こんな風に涙は出ないだろう。

相手が裸女なら、尚更強がるかもしれない。


「もう……なんで……こぅ……」


人選が上手いんだろうって尊敬しちゃうよ。


「カッコいいんだろう!って言いたいんだろ?分かる、分かる。俺は顔だけじゃないからな」

「ばか……」

「お前程じゃねえよ。頭がぶっ飛んでるだろ。意味不明」


もうこれだけでも十分だ。
もし本当の理由を話して、慶太郎が態度を変えたとしても、今日のこの日を思い出に強くなれる気がするから。


ふぅ、と呼吸を整えて、腕に抱かれたまま顔は見ずに話そうと口を開きかけた私より、慶太郎が話すのが一歩早くて。