青空の下月夜に舞う 4




「お前の兄貴は今日から俺だ。もう恐がるな」





まさか。


慶太郎に胸を撃ち抜かれるなんて。


一生の不覚だ。



目から涙が溢れて、やっと笑った慶太郎に心底安心した事は、絶対内緒にしてやる。



再び私の頭を抱きしめると、


「バカな妹作っちまった。はははっ」


雰囲気を普段と変わらないものに戻し、いつもの調子で笑った。



私を好きだと言った慶太郎の気持ちが“妹”に全て詰まっているんだと理解したからこそ、流れた涙。


慶太郎に特別な感情なんて持ち合わせていないし、寧ろ“兄”と言えば私の中では雄大がイコールなのにも関わらず、その言葉が胸に響いたのだ。