青空の下月夜に舞う 4


「幸せなヤツはそんな顔してんのか。お前俺の目見て言えよ?」


やめて。


「原嶋が好きだからこうやってんのか」

「……」

「泣くように笑うのがお前の特技なのか」

「……」

「原嶋の為にはお前が犠牲になるのか。そうしないとお前は幸せになれねぇのかよ」



壊れてしまう。

鋭い瞳が私の胸の奥まで響く。


体が冷えている気がするのは。床に座っているからではない。

慶太郎の目が、冷たい様で熱いから。

嘘を吐かなければいけないのに、今から自分が吐く言葉に。


頭が……心が……

蓋をした自分の気持ち。氷にした秘めた想いを溶かされていくのが分かるから。



「分からないとでも思ってんのかよ」



表情は変わらない。無表情で呟く吐息もリアルで。