青空の下月夜に舞う 4

ふひひっと。

楽しそうに笑いながら、私の頭と体は相変わらず慶太郎の腕の中。


「だからさー。お前帰って来いって」

「嘘じゃん、その理由」

「面白くねえ?麻衣ちゃんと俺カップル」

「……想像できない」

「今夜は激しくしてあげるわねっ、ふふっ」

「……ばか」



どこまでも楽しそうに話す慶太郎に強張っていた体から緊張が解けていく。

力が少しずつ抜けていた私に対し、慶太郎がまた口を開く。


「ね?麻衣ちゃん俺のものになってみない?」

「ならないよ。そもそも真剣じゃないでしょ」

「真剣だったらいいのー?」

「だって慶太郎が私を好きなのも嘘じゃん」

「えー。嘘じゃないのにな。じゃあ、さ……」


言葉に一瞬の間を置いた後。
込められていた慶太郎の腕の力が緩んで、至近距離にあった慶太郎顔を自然と見つめる形になった時。