「…………」
ドアの向こう側の人物を見て、一気に体の力が抜けた。
鍵を開けて、扉を開く。
「こんばんは。お忙しい時間帯にすみません。先日のヨーグルトなどはどうでしたか?」
先週。
試飲して下さいと、飲むヨーグルトと牛乳を貰った営業の女の人だ。
「……凄くおいしかったです。でも私牛乳飲むと、やっぱりおなか壊してしまうので……」
「そうですか……それは残念です。宜しかったらヨーグルト製品だけでもどうですか?」
「先日試飲と一緒に頂いたパンフレット見ました。青いやつですよね?」
「そうです!あ、よかったらまた食べてみてください。来週また来てもいいですか?」
「はい。じゃあ、ありがとうございます」

