青空の下月夜に舞う 4


お母さんに抱きしめられたくて。

誉められたくて頑張っていた幼少期。


そんな私を見て育った雄大も、何か感じることがあったんだと思う。

兄妹だけど、本当の兄妹ではない私達。


普通の家族とはやはり流れている空気から違うだろう。



あの日。

脅した様に見せかけて、お母さんから私を守ろうとしてくれたかもしれない。

そう思うと、雄大を嫌いにはなれなかった。


何より、小さな頃から過ごしてきた時間がある分恨めない事実もあった。


思い出は時間がたてば美化されていくと言うけど、本当にその通りだ。

お母さんや雄大から受けた“嫌な事”は数えきれない。


けれど二人を思い出せば、脳裏に浮かぶのは楽しい思い出が勝るのだ。