青空の下月夜に舞う 4


バイトが間もなく終わる頃。

キャップを被った、同じ年位の男が来店。


テーブル席に座り、コーヒーとドーナッツを前にスマホをいじっている。

いつもは顔なんて見ないけど、隼人の言葉を聞きよく顔を覚えた。


帰り道。
いきなり振り返ると不自然だろうと、自分なりに考えてコンビニに寄ると、ドリンクコーナーでさっきのキャップ男が僅かに視界に入った。


やっぱりそうだったんだ。




普段と変わらない様に振る舞いながら、玄関前に着いた時、何気なくマンションの下を見るとキャップ男はスマホを耳にあて、来た道を戻っていく姿を捉える。


今まで何で気付かなかったんだろう。

きっと雄大から言われてるんだろうけど、変質者だったら私今頃襲われてるよ。

危機管理能力が乏しい自分を情けなく思いながら、部屋の中に入り、しっかりと鍵を閉めた。