「俺の事も最初は知らなかったんだから、無邪気の面子を知らないのは当然だよ」
そうか。私見張られて……って!!
ハッとして辺りを見回す。
「……」
だけど、そこには正真正銘私と隼人の二人だけ。
見張りなんて何処にもいない。
「あ」
「分かった?」
思わず漏らした私の声に、笑顔で反応した隼人。
さっき、店内で言った“時間がない”。
そして、雄大はしばらく忙しいと言っていた。
「今日は見張られてないの……?」
「半分正解。見張られてないのは、バイトの時間だけ。今日のバイト終わり店内見渡してみなよ。俺達と同年代の男が居るだろうから。で、帰り道振り返ってみなよ。そいつがきっと近くに居るよ」

