中に入り、焼きあがったコーヒーあんパンを持ち、補充に行く。

隼人はレジで清算しながらケーキを受け取り……
テーブル席に腰を下ろしていた。


今から二時間ちょっと……待つつもりなのかな。


私はもうみんなに嘘を吐き通さなければいけない。
裸女を。
みんなを。

私が守るって決めたんだから。


こんな事で揺らいじゃいけない。


隼人が。みんなが納得出来る様に。


私が好きなのは“雄大”。
“雄大と居たかったから”みんなと離れた。


暗示の様に頭で繰り返しながら。
なるべくテーブル席の隼人を見ないようにして、バイトに勤しんだ。