自動ドアが開き、暫くすると聞こえてきたエンジン音は間違いなく、祐也の爆音バイクで。


ダメだ……ーー泣きそう。


俯いてしまった私に、


「車の中から響が見てる。普通にしてないと……分かるよね?」


ぼそり。


まるで恋人同士が内緒話をする様に。
優しく私の肩を抱いた雄大が呟いた。


後ろから見れば、私と雄大は仲良さそうに見えるに違いない。

私はそのまま歩き、パンコーナーの所で曲がると、まるで物色するかの様に体を屈めた。


ポタリと涙が床に落ちる。

その数秒後……


「上出来」


ポンッと私の頭の上に手を置いた雄大は、私の横を通り過ぎると、足取り軽く飲み物コーナーへと向かった。