え……雄大?


中腰の私を、まるで“行かないで”と。子供が言うように。優しく触れる雄大の手。


「帰って来た麻衣に、俺が何で手を出してないか分かる?」


睨むような瞳は、掴んだ腕に反比例し、私の動揺を誘う。


首を横に振った私は、雄大の言葉に目を見開く事になった。





「上原が好きなんだろ」





どうして……っ。


言葉にならない。



その瞬間。私は……鞄に視線を向けてしまった。



私の瞳の動きに、雄大は当然気付き。

その場から立ち上がると、玄関に向かった。


まさか……っ。