伏せていた瞼は、ゆっくりこちらを向く。


ゾクリ。背中に鳥肌が立った。


明らかに怒りに満ちた瞳に、一瞬思考を持っていかれそうになる。

だけど、ここで踏ん張らなければ、言葉が全て意味のないものになってしまう。



「あいつらに何吹き込まれた?」


思わず、“ヒッ!”と言ってしまいそう。
一言で私は息を飲まされる。



「吹き込まれてなんか……」

「だって何で今更?……今更、だからか?恋しくなったのか」

「違うよ……?私が自分で雄大とちゃんと話をしなきゃって思ったんだよ?」


ちゃんと伝えなきゃ。
みんなは関係ない。これは私達の問題だから。


お互いに上着を脱ぐ訳でもなく、ローテーブルの前に座って話す。