青空の下月夜に舞う 4


ドキドキが、部屋中に聞こえるんじゃないかってぐらい。

見つめられた瞳は鋭く私を射抜く。


「麻衣を拉致って何もなく帰ってこれてる姿を見ると、あいつらとしか思えない。黒邪気が犯すために麻衣を拉致ったなら、俺に情報が入らない訳がない」


物凄く居心地が悪い。

蛇に睨まれた蛙。

雄大の表情や態度から、考えが読めない。


「だろ?麻衣」


嘘は吐く必要がない。
ちゃんと話そうと決めて帰って来たからこそ、正直に言うべきだ。

例え……怖くても。


「うん。美舞の……」


ーーガン!!!!


“美舞”の言葉を出した瞬間。雄大が机を殴った。


思わず息を飲む。

言葉に詰まり、部屋が静まる。けど、私は続けなければならない。


既に汗ばんだ拳を更に強く握った。