青空の下月夜に舞う 4

強い口調とは裏腹に、優しい手付きが私の心を震わせた。


「雄大、あのね……」

「あ、さっき怖かったろ?ごめんな。手首掴まれたやつはウチのやつだ」


話し出そうとすれば、先程の空気とは一変。
恐らくさっきのキャップ男の話だろう。


“ごめんな”に気持ちが揺らぐ。

私の前を通り、中に入っていく雄大に、私も靴を脱ぎ捨て後ろに続いた。


机の前で腰を下ろした雄大に、私も目の前に座ろうと鞄を横に置いた。


「何かされてないか?見る限り犯されてはなさそうだけど」

「あ……うん。大丈夫」


話は元に戻り……私を見つめて眉を下げた。

すると、小さな息を吐いた雄大は。




「美舞、か」




体に緊張が走った。