青空の下月夜に舞う 4


車の姿をとらえ、マンションへとどんどん足を進めると、助手席のドアが開いて。


「麻衣!!」


叫ぶ様な声で、私を呼んだ雄大が車から降りてきて。


「雄大……、」

「お前を拉致ったヤツ誰だ?!」


眉間に皺を寄せ、私との距離を詰める。

雄大の迫力に足が止まってしまった私は、目を丸めた。


「……来い」


雄大が声を荒げ、動揺する姿なんて珍しくて。

肩を抱かれ、無理矢理足を動かされると2階まで登り、雄大が持っている鍵を刺すと押し込まれる様に中に入った。


ヤバイ。走ったことで変に頭がスッキリして落ち着いていた為に、今更ドキドキしていた。


雄大が私の肩を抱いていた力。
そして私を中に押し込んだ力が強ければ、話しやすい空気になったのに。