ドクンと胸が大きく鳴る。
祐也が私との距離を詰めたかと思うと、僅かに通り過ぎて。
後ろのスライドドアを開けた。
え……今のは何……
迷いなく中に乗り込む姿に頭が混乱する。
だから、の後は何だよ!!
つか、今このタイミングで好きだとか言う?!
固まる私に、後ろに既に乗っていた慶太郎が「どうした?」と訪ねる。
はっ!
ダメだ。意識を完全に持っていかれた。
無言で車に乗り込んだ私に、祐也と喧嘩したのかって聞かれたけど、首を横に振るだけにした。
雅也さんのバーが遠ざかり、順調に車が進む中で。
雄大に話す内容を頭で整理したいのに!!
祐也の野郎……
やめろよ!馬鹿!!

