「あの……」
色々と迷惑かけてすいません、と。
口にしたかったのに。
言葉に少しの間があった事で、そこを上手く利用した雅也さんは。
「全部。終わってから、またおいで。その時また話そう」
さっきの祐也みたいに、頭をわしゃわしゃされる。
「わわわわ」
「あはは。そんな感じで、自然にね」
確かに、今ので気が緩んだと言うか……拍子抜けしたと言うか……
今は、その優しい笑顔に甘えよう。
すみません、じゃなく「コーヒーごちそうさまでした」と言って頭を下げた私の肩を軽く叩いて、手を振ってくれた雅也さんに、扉から出る際再び頭を下げて静かに閉めた。

