「私は……っ、」
座ったまま膝の上に拳を握った時。
「落ち着いたー?」
バーの扉がまたまた開かれる。
そこに居たのは、
「ミナくんに慶太郎くん」
確認して、名前を呼んだ隼人。
ニッと笑った慶太郎は、こちらに近付きながら
「麻衣ちゃんと祐也の喧嘩、ドア越しにほとんど聞いてた」
ミナは隣でスマホをいじっている。
二人とも、私達の隣のテーブル。
祐也が座っている所に来て、迷わず空いた席に腰かけた。
「あ、麻衣ちゃん気にすんな、ミナはラインが今大忙しだ」
「あ、ああ……」
忙しなく動くミナの指を見ていたのを、慶太郎は気付いたんだろう。

